家族と恋人のいる故郷を離れ、中国東北地方から北京の大学に入学した美しい娘ユー・ホン(ハオ・レイ)。そこで彼女は生涯忘れることのできない恋に出会う。友人リー・ティ(フー・リン)の恋人に紹介された、彼の名前はチョウ・ウェイ(グオ・シャオドン)。ときは1989年、学生たちの間では、自由と民主化を求める嵐が吹き荒れる。改革を激しく求める熱気のなかで、ふたりは狂おしく愛し合う。しかし、幸せは長く続かない。チョウ・ウェイにあまりに強く魅かれるあまり、いつか離れる日を恐れたユー・ホンは自分から別れを口にしてしまう。彼女の気持ちを理解できないチョウ・ウェイ。お互いに求め合いながらも、ふたりの心はすれ違ってしまう。そして、学生たちによる激しい抵抗活動の続くある夜、彼女を心配して北京にやって来た故郷の恋人と共に、ユー・ホンは大学から姿を消してしまう。一方、天安門事件のあとチョウ・ウェイは軍事訓練に参加し、その後自由を求めてベルリンへと移り住む。10年に渡る月日が流れる。ユー・ホンは中国各地を転々としながら仕事や恋人を変えて生活しているが、胸の奥底ではチョウ・ウェイを忘れることができない。彼もまた、外国での暮らしの孤独と不安のなかで、思い続けるのはユー・ホンのことだった。帰国したチョウ・ウェイは偶然大学時代の友人に遭遇してユー・ホンの居所を知り、彼女に会いに行く。自由への幻想と共に心にしまった青春時代の恋。しかしそれは再び燃え上がることなく、ふたりはまたそれぞれの現在の生活へと帰ってゆくのだった……。