バティア(サラ・アドラー)はテルアビブの結婚式場で働くウエイトレス。恋人とは別れたばかりで、職場の上司には怒られ続け、自宅の天井からは水が漏れたまま。家賃を支払うことだけで精一杯な暮らしを空しく過ごしていた。ある日、バティアが海辺で1人佇んでいると、浮き輪をつけた少女(ニコール・レイドマン)が波打ち際から現れた。少女は何も喋らず、なぜかバティアの後をついてくる。バティアは彼女を警察に連れていくが、迷子の届け出はなく、週末は福祉施設でも受け入れられないと言われ、自宅へ連れて帰ることにする。花嫁のケレン(ノア・クノラー)は、バティアが働く結婚式場での披露宴の最中に足を骨折してしまい、カリブ海への新婚旅行を取り止めて、テルアビブ市内の海辺のホテルに夫のマイケル(ゲラ・サンドラー)と宿泊。しかし、通された部屋は下水臭く、フロントに掛け合って移った部屋は海が見えず大通りに面していて騒音がひどい。翌日、マイケルは再び部屋の移動をフロントに交渉するが、つれなく断られてしまう。マイケルはそんな不運の中、1人でスイートに泊まっているという詩人の女性(ブルリア・アルベック)に出会う。彼がそのことをケレンに話すと、つまらないことで口論になってしまい、2人の関係は悪い方へと傾きはじめる…。ジョイ(マネニータ・デ・ラトーレ)はフィリピンから出稼ぎに来ている介護ヘルパーで、ヘブライ語が話せない。ある日、舞台女優のガリア(イラニット・ベン=ヤーコフ)から、初老の母親マルカ(ザハリラ・ハリファイ)の世話を頼まれる。マルカとガリアは互いにうまくコミュニケーションをはかることができず、わだかまりを抱えていた。ジョイは気難しいマルカに戸惑いつつも、彼女を気づかってガリアの出演する舞台を観に行こうと誘ってみるのだった……。