1987年、ルーマニア。女子大生オティリア(アナマリア・マリンカ)は、ルームメイトのガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)とともにキャンプにでも出かけるかのようにのんびりと身支度を整えると、ひとり寮を出る。まず彼女が向かったのは大学。恋人のアディ(アレクサンドル・ポトチェアン)と会うと、頼んでおいたお金を受け取る。アディは母親の誕生パーティに彼女を誘うが、オティリアはそれどころではなかった。アディに不信感を抱かせたまま、二人は気まずく別れる。そして、彼女はガビツァから言われていたホテルに向かう。取ってあるはずの予約を確認するためだったが、フロントで「予約は入っていない」と断られる。やむなく別のホテルに予約を入れ、ガビツァに連絡を取ると、自分の代わりに男に会いに行くように頼まれる。思い通りに事が運ばないことに不安を感じ始めるオティリア。ガビツァに指示された通りにべべ(ヴラド・イヴァノフ)と会ったオティリアは、二人でホテルへ向かう。しかし、ホテルが当初の約束と変更になったことを知ると、無愛想なべべの機嫌がさらに悪化。彼を怒らせるわけにはいかないオティリアは、黙って愚痴を聞くしかなかった。ホテルに着いた二人を待っていたのはガビツァ。ホテルも待ち合わせた女も違うと、べべは二人に怒りをぶちまける。「これからやるのは違法行為だ!妊娠中絶はバレたら重い刑に問われる!分かっているのか?」詰め寄られた二人は、お金が足りないことを告白。ベベはあきれ、話にならないと帰りかける。二度とない中絶手術のチャンスを逃がすまいと必死にすがりつくガビツァ。そのとき、オティリアは覚悟を決め、ある行動を取る……。