ジャーナリストのグレース・コリエ(クロエ・セヴィニー)は、小児病院で起こった不審死を調べるために潜入取材していたが、医師のフィリップ・ラカン(スティーヴン・レイ)に追い出されてしまう。その同じ日、ボランティアとしてやってきた医師ウォレスは、ラカンの助手であるアンジェリーク(ルー・ドワイヨン)が「もう解放して。自由になりたい」とラカンに懇願しているのを目撃、ラカンから彼女を引き離す。ウォレスの正義感に心を許したアンジェリークは、ラカンが別れた夫であることや、双子の姉アナベルと一緒に暮らしていること、今日が誕生日であることなど、自らのことを話しはじめ、ベッドで一夜を共にする。その翌朝、ラカンの部屋に侵入していたグレースは、ラカンがアンジェリークの部屋に監視カメラを仕掛けていることを発見。そして、そのカメラを通して、ウォレスがアナベルに殺されるところを目撃してしまう。グレースは警察を伴ってアンジェリークの部屋に乗り込むが、そこには死体も事件の痕跡もなかった。独自の調査をはじめたグレースは、ある日、公園でアンジェリークが口のきけない男の子の世話をしているところに遭遇する。彼女の心優しい一面に触れて、何気なく話し掛けるグレース。殺人事件の後、初めて向き合った2人は、お互いが心に癒しがたいトラウマを抱えて生きていることを察知する。それは、2人の間に不思議な絆が生まれた瞬間だった……。