アメリカへの密入国を目指すメキシコ人たちは、運び屋の手助けによって国境パトロールから逃れ、無事にアメリカに辿り着く。密入国したラウル(ウィルマー・ヴァルデラマ)とシルビア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)の夫婦、シルビアの妹のココ(アナ・クラウディア・タランコン)は、裏業者から低賃金の違法労働を斡旋される。シルビアはホテルの客室清掃、ラウルとココは精肉工場に勤務することになる。その頃、ミッキーズ・バーガー本社の会議室では、マーケティング部長のドン(グレッグ・キニア)が主力商品の新コピー案をプレゼンテーションしていた。好調な売り上げに幹部も上機嫌だったが、ドンは社長に呼び出される。「テキサスの大学の院生たちが、ファーストフード各社の肉パテを分析した。我が社のパテから多量の糞便性大腸菌が検出されたらしい」と社長は言い、公になる前にコロラドの工場を調査するようドンに命令する。すぐさまコロラドに向かったドンは、支店の店長を始め、シカゴ支店副社長、元の契約牧場主ルーディを訪ねて原因を探ろうとする。「工場のライン稼動が早すぎて、血や糞便が混入することなど日常茶飯事」というような不穏な噂をそこかしこで耳にしながらも、一向に成果は上がらない。その陰で、精肉工場ではラウルの友人が機械で足を切断する事故が発生。助けようとしたラウルも大怪我を追ってしまう。しかし会社側からの補償はない。シルビアは働けなくなったラウルに代わり、精肉工場に職を求める。妹のココの愛人でもある現場責任者のマイク(ボビー・カナヴェイル)に体をも提供し、仕事の口をきいてもらう。シルビアは工場内で最も危険で辛い仕事である牛の内臓を切除するラインに配属されるのだが……。