ビルが立ち並ぶ街の一角に、“マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋”はあった。世界の果てまで飛び続ける紙飛行機や抱き返してくれるぬいぐるみなど、まるで魔法のような物ばかりが置いてある。それもそのはず、おもちゃはすべて魔法使いのマゴリアムおじさん(ダスティン・ホフマン)によって生かされているのだ。オーナーのマゴリアムおじさんのもと、支配人として働く23歳のモリー(ナタリー・ポートマン)やお手伝いのエリック(ザック・ミルズ)もそんなお店を愛していた。しかしモリーはこの頃元気がない。天才ピアニストと称された腕を持ちながら、作曲に関してはただの一小節も思い浮かばないことから、本当の天才とは認められていないからだ。そんなある日、243歳になったマゴリアムおじさんが突然の引退宣言、モリーに跡継ぎを願い出る。作曲家の夢さえ叶えられない自分がオーナーになる自信などモリーにはなかった。しかも一度引退してしまうと、マゴリアムおじさんには二度と会えなくなってしまうという。モリーは必死でマゴリアムおじさんを引き止める。しかしマゴリアムおじさんは計理士のヘンリー(ジェイソン・ベイトマン)を雇い、売り上げと店の資産価値の計算を依頼するなど、着々と引退の準備を進める。ところがもっと過激な手段でマゴリアムおじさんの引退に抗議するものたちが現れた。命を吹き込まれたおもちゃたちが、マゴリアムおじさんがいなくなる寂しさと、次期オーナーのモリーの頼りなさに怒り出したのだった。ヘンリーの仕事を邪魔したり、お店に来る人に悪戯をしたり…おもちゃ屋は一時閉店せざるを得なかった。みんなの愛した“マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋”を復活させるには、モリーがおもちゃを自在に操る魔法を身につけるしかない。自信のないモリーにそんな奇跡は起こせるはずもなく、おもちゃ屋を閉店したまま、遂にマゴリアムおじさんの引退の日が訪れてしまう。