第二次世界大戦の真っ只中。アンガス・マクマロウ(アレックス・エテル)は、戦地へ行ったまま音信不通の父の帰りをひたすら待っていた。神話と伝説が息づき、美しい森と湖に囲まれたスコットランドの村で、母のアン(エミリー・ワトソン)と姉の3人で暮らしているアンガスだが、父のいない寂しさは誰にも埋めることはできなかった。ある日、アンガスはネス湖で青く光る卵を見つけて、秘かに持ち帰る。そこから生まれてきた生き物にアンガスは“クルーソー”と名付け、毎日のように食べ物を与えるのだった。やがて、イギリス軍が押し寄せ、マクマロウ家の広い屋敷が、ハミルトン大尉(デヴィッド・モリッシー)を始めとする将校たちの宿舎となる。ネス湖が注ぐ海に出没するナチの潜水艦を撃退するのが目的らしい。そんな中、成長したクルーソーは屋敷を駆け回り、姉や下働きとして雇われているモーブリー(ベン・チャプリン)に見つかってしまう。クルーソーは、ケルト人の古い伝説に出てくる“ウォーター・ホース”であり、すぐにネス湖に放すべきだと、モーブリーはアンガスに忠告する。最初は嫌がっていたアンガスであったが、一晩ごとに成長するクルーソーの姿を見て渋々承諾するのだった。アンガスは大人たちの隙を見ては、ネス湖へクルーソーに会いに行く。ある日、クルーソーはアンガスを背中に乗せて湖中を泳ぎ出した。もはやクルーソーとアンガスは信頼と愛情でしっかりと結ばれていた。しかし、クルーソーを目撃した大人たちが、伝説の生き物を捕獲しようと計画、宣伝のために捏造写真まで撮影される。その後、兵士がクルーソーを敵の潜水艦と勘違いし、湖に向かって砲撃する。一方、アンガスは、クルーソーを大海原へ逃がそうと湖へと向かう……。