介護者のサポートを受け、一人暮らしをしている重度身体障害者の住田雅清(住田雅清)。彼は電動車椅子で移動し、ボイスマシーンで会話を交す。ビールや女の子も大好きだ。おばさんの介護者(有田アリコ)と罵りあい、また彼のよき理解者であり介護者で、バンドマンでもあるタケ(堀田直蔵)とつるんで遊び、タケのバンド仲間たちの間でもすっかりおなじみの存在になっている。それなりに平穏な日々を過ごす住田のもとに、大学の卒業論文の準備のため介護を経験したいという敦子(とりいまり)が現れる。新入りの介護者が来るという経験を何度もしているはずの住田の中で、違和感が少しずつ膨らんでいく。住田の相談を受けた年長の障害者福永(福永年久)は、住田を案じ助言を与えるが、ある日、敦子が何気なく発した言葉「やっぱり普通に生まれてきたかった?」を聞いた時、住田の中で何かがはじけた。そして、ひとつの決心をする。それは、敦子を殺すことだった。最初の殺人を犯した住田に、事情を知らない女子大生は「人って簡単に死ぬんやね。」と、つぶやく。思わず“ちがう”と地面に文字を書く住田。そして、二度目の殺人をしてしまう……。