マカオにあるキョウジ(浅野忠信)の粗末な下宿に、ゴージャスな女セイコが訪れる。彼女はキョウジの働くレストランの店主であるボスの妻で、キョウジとの秘密の情事に溺れていた。彼女は、腕のいい料理人であるキョウジの手作りディナーを堪能し、濃厚に愛を交わす。その後、裸のままもがき苦しみながら、息絶える。キョウジがワインに毒を入れたのだ。それは、ボスからの殺害命令によるものだった。翌朝、レストランに出勤したキョウジは、ボスから「閉店だ。休暇を楽しんでこい」と言い渡され、帰り道の階段の途中で、頭に包帯を巻いた僧侶(エリック・ツァン)から必要なもの一式が入った袋を受け取る。愛する女を殺した罪の意識に苦しむキョウジは、船でプーケットへと旅立つ。船旅の途中、サングラスをかけたショートカットの若い女性ノイ(カン・へジョン)と知り合う。彼女は赤ん坊の娘ニドと二人旅をしているのだ。ノイは、素性の知れないキョウジにニドを託しプールで泳いだりと、何ものにもとらわれない自由さを持っている。キョウジは、そんなノイとニドに愛情を感じはじめるのだった。隣室の初老の男、日本人の中年バーテンダー、出会う人々が皆キョウジを光の射す方向へ導いてくれているかのように感じられる瞬間だった。しかし、そんなキョウジの行動を見張るアロハシャツを着た謎の男が現れる。