15年前に妻と娘を交通事故で亡くした老実業家エドモンド(ヴァディム・グロウナ)。一人淋しく日々を過ごすその姿を見かねた友人のコーギ(マクシミリアン・シェル)に勧められるままに、彼はある館を訪れる。老齢の男性のみが通うことを許された秘密の館。その主と思しきマダム(アンゲラ・ヴィンクラー)に案内されるままエドモンドが部屋に入ると、レースのカーテンに覆われたベッドの上に全裸の美女が死んだように眠っていた。この館を訪れる客は、この美女たちと一夜を共にすることが出来るという。ただし、決して美女たちは目を覚ますことはなく、いたずらをする事も許されない。美女たちも、その夜、誰といたのか何をされたのかを知ることはないという。マダムの指示に従って、エドモンドは服を脱ぎ、美女に寄り添って静かに眠りにつく。そしてその夜、彼は夢の中であやされているような、それまでにない不思議な安堵感を覚える。その後も繰り返し館を訪れるエドモンド。そして様々な美女たちと一夜を過ごすたびに懐かしい昔の記憶を蘇らせていく。次第に館での一夜にのめりこんでいく一方で、マダムの謎めいた言動に翻弄されたり、美女を目覚めさせたいという誘惑に駆られたりもする。そんなある日、館で老人が死亡したことを示唆する記事が新聞に掲載される。館を訪れてマダムに詰め寄るエドモンドだが、マダムは素直にその事実を認めようとはしない。しかし、エドモンドは目撃していた。ある夜、マダムが男たちを使って布に包まれた『何か』を運び出しているところを。そして妻と娘の命日。館で二人の少女に迎えられたエドモンドが睡眠薬を飲んで様々なことに思いを巡らせているとき、一人の少女がベッドからゆっくりと床へ崩れ落ちた……。