1920年代、タイの農耕地帯。牛泥棒を阻止し、貧しい村民を助けることを使命とする男(ダン・チューポン)がいた。膨大なロケット弾と己の肉体を武器に牛泥棒と戦う彼の正体は、誰も知らない。そんな彼のことを村民は「ロケットマン」と呼んでいた。幼少時代、両親を牛泥棒に殺された彼は、犯人シンへの復讐を誓っていた。ある日、ロケットマンはウェン閣下らと出会い、「黒鬼」と呼ばれる妖術使いダム(パンナー・リットグライ)のもとに案内される。ダムによれば処女である彼の娘サオ(カニャパク・スワナクートウェン)の血を銃弾や弓矢、爆弾に塗ることでシンの妖術を破れるというのだ。一方、ウェン閣下は農作業にトラクターを導入することで大儲けを企んでいた。ダムやロケットマンと組んでタイ中の牛を消してしまうという、とんでもない計画を遂行しようとしていたのだった。そして、そのためにはシンの存在が邪魔なのだ。そんなことを知らないロケットマンとサオの間にはほのかな恋心が芽生えていた。数日後、ついにロケットマンとシンが戦うことになる。見事シンのパワーを奪うことに成功するロケットマンだが、そこで信じられない事実を知ることになる。実はシンは善人であり、ダムこそが自分の両親を殺した真犯人だったと言うのだ。さらにサオはダムの娘ではなく、赤子の時に彼に誘拐されていたのだった。怒りに燃えるロケットマン。遂に、ダムとロケットマンの戦いの火蓋が切って落とされる……。