スペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館、アメリカ・ロサンゼルスのディズニー・コンサートホール、マサチューセッツ工科大学のステイタ・センター、ドイツ・ベルリンのDG銀行、そして、フランス・パリのシネマテーク。その独創的なフォルムの美しさが、見る者の心を捉えてやまない。そんな近代建築の生みの親であるフランク・ゲーリーは、建築家として活躍する一方で、バルセロナのフィッシュや神戸のフィッシュダンスなど、魚をモチーフにした斬新なオブジェの製作者としても活躍し、近年ではティファニーのジュエリーデザインに進出するなど、ファッション業界からも注目を集めている。「建築については素人同然」と明言する映画監督シドニー・ポラックは、80歳を目前にしてなお壮大なアイディアを生み出し続けるゲーリーにカメラを向ける。ゲーリーとポラックには長年にわたる友情の絆があったのだ。ゲーリーのアトリエ、建築現場、自宅、さらにはゲーリー自ら運転する車中に同乗して撮影を敢行。親友としての気軽な会話から、建築家フランク・ゲーリーの人間性と創造の源を描き出す。俳優のデニス・ホッパー、映画「バスキア」の監督ジュリアン・シュナーベル、ミュージシャンのボブ・ゲルドフ、今は亡き名建築家フィリップ・ジョンソン、元ディズニー会長のマイケル・アイズナーと、各界の著名人による貴重な証言も散りばめ、カリフォルニアからミネソタ、ドイツ、スペイン、スコットランドと、世界各地に点在するゲーリーの手掛けた建築物を巡る。