古代中国の戦乱期、五代十国時代。皇帝が謎の死を遂げ、その弟リー(グォ・ヨウ)が新帝に即位した。皇帝の死がリーの策略であることは誰の目にも明らかであり、王妃ワン(チャン・ツィイー)も気付いていた。リーはさらに、皇太子ウールアン(ダニエル・ウー)の暗殺も企んでいた。ワンにとって、ウールアンは歳の近い義理の息子にあたるのだが、その昔、密かに思いを寄せ合っていた相手でもあった。ウールアンの暗殺計画を知ったワンは、夫の復讐のため、ウールアンを守るため、リーとの結婚に同意する。恋い焦がれていたワンを手に入れたリーは、夜毎尽きることのない欲望に溺れ、ワンに命を捧げることを約束する。しかし、己の権力を絶対的なものにしようと、臣下たちの前でリーに忠誠を誓わせる。世界でいちばん憎い男の前にひざまずくワン。彼女はその時、胸の奥で脈打つ気高い魂を、復讐の神に捧げたのだった。一方、呉越の地で芸術の世界に生きていたウールアンは、父の死を知り都へと戻ってくる。その死を不信に思うウールアンは、怒りに震えていた。そして、あっさりとリーの妻になってしまったワンへの気持ちに苦しんでいた。ウールアンのいいなづけチンニー(ジョウ・シュン)は一途に彼を慕っていたが、そんな純粋な心にまでも、ウールアンは疑いの目を向けるのだった。ある日、リーは王妃ワンの即位式を執り行う。そこで、ウールアンは演武の代わりに父の毒殺を告発する芝居を披露する。怒りを秘めた拍手を贈るリーは、ウールアンを隣国に派遣することを宣告。両国友好のために互いの王子を人質として交換しようという申し出を受けるというのだ。その瞬間、リー、ワン、ウールアンの3人は、暗殺、復讐、仇討ち、それぞれの決意を固めたのだった。