南アフリカの貧しいスラム街。ツォツィ(プレスリー・チュエニヤハエ)は、自分の過去と本名を封印している。彼は幼い頃から、たったひとり、社会の底辺で生きてきた。ツォツィの仲間は、ボストン(モツスィ・マッハーノ)、ブッチャー(センゾ・ンゴーベ)、 (ケネス・ンコースィ)だ。”仕事場”の駅に向かうツォツィたち。電車の中で、男の財布を奪う。思わず声をあげる男。ブッチャーは躊躇することなく、素早くその腹にアイスピックを差し込んだ。殺人のショックがおさまらないボストンは、ツォツィをなじりはじめる。ツォツィの怒りが噴き出した。ボストンを血だらけになるまで殴りつける。気づくと彼はスラム街を抜け、豪邸が建ち並ぶ通りに立っていた。車で帰宅した黒人女性の姿。ツォツィは持っていた銃を引き抜いて女性を脅し、そのBMWを盗む。そして、追いすがる彼女に銃弾を浴びせた。突然車内に、赤ん坊の泣き声が響く。後部座席に赤ん坊が乗っていたのだ。ツォツィは、一度はその場を立ち去ろうとするが、赤ん坊を抱き上げ、紙袋に入れて、歩きだした。泣き叫ぶ赤ん坊にミルクを与えると、なんとか泣きやんだ。ツォツィは、赤ん坊を抱いた若い女性ミリアム(テリー・ペート)に目をつけ、その後をこっそりつけていく。強引に彼女の家に入り込んだツォツィは、彼の赤ん坊にお乳をあげるように命令する。怯えるミリアムだったが、気丈にも赤ん坊の世話を申し出る。ツォツィは一晩、赤ん坊を彼女に預けることにする。育てるには金が要る。ツォツィが選んだのは、彼の赤ん坊の家に強盗に入ることだった。アープとブッチャーを連れ、豪邸に押し入る。折りしも帰宅した父親を縛り付ける。金目のものを盗もうを家探しする3人。だがツォツィには、別の目的があった……。