ブラジル/シチオ・ノーヴォ村。小作農のフランシスコ(アンジェロ・アントニオ)は、妻のエレーナ(ジラ・パエス)と7人の子供たちと共に暮らしている。貧しい生活だが明るい一家の中心にあるのは、フランシスコの大好きな音楽だ。フランシスコは息子たちをプロのミュージシャンにしたいと願い長男のミロズマル(ダブリオ・モレイラ)にはアコーディオンを、弟のエミヴァル(マルコス・エンヒケ)にはギターを買い与えた。兄弟たちは独学で練習に励み、歌と演奏のテクニックをマスターし、コンビで村のステージに出演するようになる。だが、そんな幸せな日々もつかの間、楽器に変わってしまった地代が払えない一家はある日とうとう土地を追われ、州都のゴイアニアに移住を余儀なくされた。あばら家でスタートした新しい暮らし。フランシスコは、建設工事の職を得るが、生活を支えるのは容易ではない。ミロズマルは少しでも家計の足しになるようにと、エミヴァルと2人で路上ライブを始めた。人気者になったふたりの元にはタレント・エージェントから、演奏ツアーの話が持ち込まれた。エレーナは、子供たちと離れ離れになることを心配するが、ツアーが1週間で終わると聞き、旅立ちを承諾する。だが、実際にミロズマルとエミヴァルが帰ってきたのは、4ヶ月もたってからだった。フランシスコは、約束を破ったエージェント・ミランダに対し、抑えようのない怒りをぶつける。ミランダは、前回のツアーのことを謝罪し子供たちの将来のために、もう一度チャンスをくれとフランシスコを説得する。フランシスコとエレーナは、必ず連絡を入れることを条件に、ミロズマルとエミヴァルを再びツアーに送り出す。かくして始まった二度目の演奏ツアー。ミロズマルとエミヴァルは、音楽で人々を楽しませることを楽しむようになっていく。たくましく成長していくふたり。だが、そんな彼らの身に、ある日突然、思いがけない悲劇が……。