18世紀、フランス。類まれなる才能を持つ一人の孤児がいた。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の臭覚を持っていたが、なぜか彼自身には体臭がなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街・グラースへと向かった。グルヌイユは、天使の香りのごとき至高の香水を作りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、その運命の香りと再会する。それは裕福な商人リシ(アラン・マックリン)の娘で、赤毛の美少女ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)が放つ香りだった。一方、脂に香りを移す「冷浸法」を習得したグルヌイユは、この世に唯ひとつの香水作りに着手する。そして、その日からグラースの街は恐怖に包まれた。若く美しい娘が、次々と殺されていったのだ。しかもすべての被害者には、髪を刈り落とされ、全裸死体で発見されるという奇妙な共通点があった。妻亡き後、命より大切なローラを守るために、リシは街を出る決心をした。果たしてグルヌイユの夢はかなうのだろうか?