海外でピンホールカメラマンとして活躍してきたシュナイダー植松三奈子(浅丘ルリ子)は、医者からいずれ失明することを告げられる。三奈子は光を失う前に、子どもの頃に過ごした思い出の地、故郷の風景を一目見ようと、豊橋に帰ってくる。兄から受け継いだ昔懐かしいピンホールカメラで市内を撮影する三奈子は、偶然、豊橋発祥の“ええじゃないか踊り”を復活させるイベントの準備をしている行彦(北条隆博)と小枝子(加藤未央)に出会う。そして三奈子は、彼らに幼い日の思い出を語り始めた。1943年、6歳の三奈子(笠菜月)と12歳の兄・真次(鈴木駿)は東京から豊橋に引っ越してきた。同級生からよそ者扱いされていた真次も、次第に彼らの仲間として受け入れられ、やがて中心的存在となっていく。しかし戦争が激しくなり、担任の先生や友達の父が次々と出征。中学校にあがったばかりの真次たちも、学徒動員により豊川の海軍工廠も空襲を受け、同級生たちと共に、若い命を絶たれてしまった。三奈子の話を聞きながら、行彦と小枝子は、友情、家族、そして平和の尊さについて考える。自分たちを見つめ直した二人は、改めて“ええじゃないか踊り”の成功を決意するのだった。