視力を失ったミチル(田中麗奈)は、父(岸部一徳)と二人で暮らしていた。ところがそんな最愛の父親が突然、病死。ミチルはたった一人の生活を始める。彼女の家の目の前には、駅があり、電車の音が聞こえる。ある朝、いつものように急行電車がホームを通過する音が聞こえた。しかし、いつもと違ったのは静かな朝を切り裂くように鳴り響く電車の警笛、耳障りなブレーキ音……その音の違和感から、何かが起こったという胸騒ぎを感じた。午前9時5分、突然家のチャイムが鳴った。ドアを開けるミチル。彼女の問いかけにも全く呼応せず素早く家の中に忍び込んだ男の名前は大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。TVのニュースでは、今朝起こった駅での転落事故の重要参考人が、現場から逃走するところを目撃されているアキヒロであることを報じていた。それからもミチルは、いつもと変わらず、ほとんどを家の中で過ごしていた。ミチルは生活の中で、何か違和感を感じ始める。朝食用の食パンが減っていたり、夜物音がするだけでなく、かすかな人の気配を感じ始めていた。こうして、殺人事件をきっかけに、ミチルとアキヒロの不思議な共同生活が始まった。