雨見保江(香川京子)は、千倉に住む息子夫婦のもとに身を寄せることになった。孫の明美(宮地真緒)を伴って千倉に向かう途中で昔住んでいた家を見に行きたいと、館山駅で途中下車する。保江らがその家の中へ入って行くと、家の持ち主・光子(浅田美代子)が姿を見せ、この家を取り壊して建て直すと話す。保江は千倉に向かおうと促す明美に、「できれば今日はここに泊まりたい」と言い出す。光子はイヤな顔も見せずに承諾してくれた。次第に記憶が心もとなくなった保江は、「昔の約束を確かめるためにここに来た」と明美に打ち明ける。ふと外に目をやると、見知らぬ女性が家を覗いていた。彼女は、美土里(樹木希林)。以前、この家を借りていたことがあるのだと言う。女性たちはいつしか古い知り合いのように打ち解けはじめていた。保江が唐突に「この家には150歳になる白い蛇が住んでいて、その蛇と話をすると幸せになれる」と言い出す。記憶を辿るように白い蛇を探す保江の脳裏に、少しずついろいろなことが思い出されていった。その記憶は、保江の心に深く刻まれた、青春時代のある出来事に深く関わりがあるのだった。