2428km…とてつもない猛暑に見舞われた、第90回ツール・ド・フランス。世界最大にして最も過酷と言われる自転車レース、ツール・ド・フランスは、その名のとおり選手たちはフランスを一周約3500km、高低差2000mを超えるコースを3週間以上かけて走り抜く。ヨーロッパでは絶大な人気を誇るスポーツだ。そのレースの裏側では、果たしてどのような光景が繰り広げられているのだろうか? インタビューの中心になるのは、「チーム・テレコム(現T-モバイル)」の選手エリック・ツァベルと、2000年ドイツ・チャンピオンのロルフ・アルダークら。レース中に起こるさまざまなアクシデント、サポートカーの中の様子、落車してけがをした選手のインタビューと手当ての様子、選手たちの不安…。名誉と莫大な報酬を夢見て自己を犠牲にし、報われないかもしれないゴールに向け、何年もかけて肉体の限界まで挑戦し続ける意味は何なのか。ツール個人総合優勝者に与えられる黄色いジャージ、マイヨ・ジョーヌを着ることを目指し、自分と闘い、そして大自然との虚しいとも思える闘いに挑む選手たちの姿を追いかける。