ロシア秘密諜報機関のアレクセイ・スモーリン少佐(アレクセイ・マカロフ)は軍事活動でチェチェンの捕虜となり、激しい拷問の末にモスクワでの爆破テロに関わったと偽証をさせられる。この偽証テープがチェチェン独立軍によって利用されれば、FSB(ロシア連邦保安局)は各国政府から糾弾されることになる。その頃、砂漠ではイスラム過激派「アンサール・アラー」の訓練キャンプが行われていた。ローマ・サミットに向けてチェチェン独立軍と手を組んだ「アンサール・アラー」は、未曾有のテロ計画を目論んでいた。モスクワで“あるもの”を奪取すれば、全世界は震撼し、国連はテロリストの要求に従わざるを得ない。各国首脳陣を混乱させ、大規模テロ計画を成功させるための切り札、それこそがスモーリン少佐の偽証テープだった。チェチェン紛争を取材していた女性ジャーナリスト、キャサリン・ストーン(ルイーズ・ロンバード)の助けを得て、スモーリンは脱出に成功する。しかし、テロ・グループは二千人収容のサーカス小屋を襲撃し、子供たちを人質にとってローマ・サミット開催中の国連に交渉を始めていた。悲鳴と銃声が飛び交い、しかも人質の中にはスモーリンの最愛の娘もいた。国連が混乱し、早急な対処を打てないうちにテロ・グループは偽証テープを奪うことに成功する。彼らの次なる要求に従わなければ、世界に破滅が訪れる。タイム・リミットは残りわずか。スモーリンは娘を守るため、たったひとりで敵地へ乗り込み孤独な闘いを開始する。