パリで活躍している売れっ子ファッション・フォトグラファーのロマン(メルヴィル・プポー)は、31歳の若さでガンにより余命3カ月を宣告される。化学療法を拒んだロマンは、まず両親のアパートを訪ね、久々に家族4人で夕食を囲む。だが、幼い子供を抱えて離婚間近の姉ソフィ(ルイーズ=アン・ヒッポー)と口論になってしまった。それから、一緒に暮らしている男性の恋人サシャ(クリスチャン・センゲワルト)をわざと冷たくして追い出す。そのあと郊外で一人暮らししている祖母ローラ(ジャンヌ・モロー)を訪ね、彼女にだけ自分の運命を知らせた。その帰り道、先程立ち寄ったカフェで働く女性ジャニィ(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)と偶然再会したロマンは、彼女から風変わりな申し出を受ける。自分の夫に問題があって子供ができないので、自分と性交して代理父になってくれないかというものだった。とっさにロマンは断るが、彼女の願いは妙に心に引っ掛かり続ける。やがて仕事を辞め、孤独に死と向き合い始めたロマンは、姉と和解し、サシャと再会し、ジャニィの申し出を思い起こして承諾する。彼はジャニィと、彼女の夫も交えて肉体関係を持ち、その2ヵ月後、計画通りジャニィの妊娠が判明。そしてロマンは海辺に出向き、砂の上に寝転びながら、そのまま息絶えるのだった。