27歳の誕生日を迎えた美貌の天才数学者、キャサリン(グウィネス・パルトロウ)は生きる気力を失っていた。シカゴ大学で教鞭を取り、天才数学者と讃えられた父ロバート(アンソニー・ホプキンス)が一週間前に亡くなったのだ。精神のバランスを崩した父を一人で看病していたキャサリンにとって、父は師であり、人生の羅針盤であった。そんなキャサリンのもとに、父の教え子だったハル(ジェイク・ギレンホール)がやって来る。彼はキャサリンにほのかな想いを寄せていた。やがて父の葬儀に出席するために、キャサリンの姉クレア(ホープ・デイヴィス)がニューヨークからやって来る。通貨アナリストとして第一線で働くクレアは、父と妹の絆を自分には関係ないものとして避けていた。葬儀が終わったあと、周囲の無神経な態度にますます傷ついていくキャサリン。そんな彼女を、ハルだけが優しく見守ってくれた。その夜、二人は恋に落ちる。翌朝、久しぶりに喜びの気分に満たされたキャサリンは、ハルに一本の鍵を差し出す。それはロバートの書斎のデスクの鍵だった。そしてハルは、デスクから一冊のノートを見つける。そこには、どんな数学者も成し遂げられなかった定理の証明が記されていた。興奮するハル。だがキャサリンは、その論証を書いたのは父ではなく自分だと主張するのだった。