十代のブライアン・ジョーンズ(レオ・グレゴリー)は音楽と女の子に夢中で、学校の規則に反抗して日々を過ごしていた。厳格な父親は息子が音楽に没頭するのを許すことができず、親子は対立する。ブライアンは19歳でロンドンに移り、ミック・ジャガー、キース・リチャーズとバンドを結成した。これがローリング・ストーンズの始まりだった。バンドの創始者であり、リーダーであるブライアンは、マネージャーになりすましてライブに参加しストーンズを引っ張ってゆく存在になっていた。名声を得てゆくストーンズは、各地でライブを行い、スターへの階段を駆け上がっていく。そして1965年、ドイツ・ミュンヘンでのライブの後、ブライアンはある女性と運命的な出会いをする。彼女の名はアニタ・パレンバーグ。ふたりは一瞬で恋に落ち、共に暮らし始める。だが幸せな日々は、そう長くは続かなかった。あらゆる楽器を演奏でき、ギタリストとして、ストーンズのリーダーとしてカリスマ性を極めたブライアンは、本物のR&Bを追求し、「俺たちは、ビートルズになる気はない」と宣言していた。しかしそれとは裏腹に、すでにロック・スターとして不動の人気を得ていたストーンズからブライアンは次第に孤立してゆき、ミックやキースがリーダーシップをとってゆくようになる。繊細な心を持っていたブライアンは精神不安定になり、悪夢に苛まれるようになってゆく。そんなブライアンを決定的に痛めつけたのは、バンドと共にモロッコを旅した時だった。アルコールとドラッグに溺れ、手当たり次第に女を変えていくブライアンについていけなくなったアニタは、キースと共に逃げるようにロンドンへと帰っていった。アニタを失い、ブライアンはますます自暴自棄になってゆく。