LAで独り暮らす肉体的にも女性になるための最後の手術を控えたトランスセクシュアルのブリー(フェリシティ・ハフマン)のもとにある日、NYの拘置所からトビー(ケヴィン・ゼガーズ)という少年が自分の父親を探しているとの電話がかかってくる。ブリーはかつて男性として生活しているときに一度だけ女性と関係を持ったことがあるが、知らぬ間に息子が生まれていたのだった。セラピストのマーガレット(エリザベス・ペーニャ)にこのままでは手術に必要な書類にはサインはできないと言われ、仕方なく貴重な手術費用に手をつけNYに出向き、保釈金を支払うブリー。いかにも保守的な雰囲気の彼女をボランティア女性だと思い込んだトビーの誤解を、ブリーはそのままにしておくことにした。トビーの生活はかなり荒れている様子で、さすがのブリーもこのまま別れる訳にはいかなくなった。トビーから、母は死に継父がケンタッキーに住んでいることを聞いたブリーは、秘かに進路を変え、彼を継父の元へ送り返そうとする。嫌がるトビーを無理矢理継父に引き合わせたブリーは、トビーは継父から虐待を受けておりそれが原因で家出したことを知る。二人はLAに向かうため、再び車を走らせる。旅の途中、ブリーが立ちションをしたため、トビーは隣にいる女性は男性で、しかも実の父であることを知る。しかしその事実を受け入れられないトビー。二人の旅はわかり合えずに終わり、別々の道を歩む。しかしトビーの役者になる夢は中途半端に終わっている。見事手術を終え完全に女性になることができたブリーがトビーの元を訪ねる。二人は性差や父・母という区別を超越した、お互いを必要とする人間同士の結びつきを持つのだった。