アメリカテキサス州、ヒューストンに本社を置くエンロンは、1985年、天然ガスのパイプライン会社として設立された。わずか15年間で売上高約1000億ドル(約13兆円)を超え、売上高全米第7位、世界で第16位(Fortune誌)の巨大多国籍企業となった。エンロンの伝統的な業種は運輸業であり、天然ガスのパイプライン業を主としている。規制緩和以前は、天然ガスを販売出来る会社は決められており、その当時エンロンはガス田をもっている生産者と消費者との流通(パイプライン)を行っていた。その後の規制緩和(業界への参入の自由化)によって、以下の通り業務拡大が行われた。しかしその強引な手法については、当時から疑問の声も上がっていた。2001年10月、ウォールストリート・ジャーナル紙がエンロンと子会社の癒着問題を報じたことをきっかけに、株価が大暴落。その後、簿外取引による粉飾会計などが次々と明るみになり、報道からわずか2ヶ月後、巨大企業エンロンは破綻に追い込まれる。負債総額は160億ドル(約1兆9600億円)を超え、アメリカ史上最大の企業破綻となった。