21世紀末、謎のウイルスが瞬く間に広まり、世界を変えてしまった近未来。感染した超人間“ファージ”は通常の人間よりも高い頭脳と運動能力を持つ反面、感染後12年で命を落とす運命を背負うことになった。ファージに恐れを抱いた人間政府は彼らの抹殺を企てる。一方、生き残ったファージも地下組織を結成し、ファージと人間政府の激しい闘いが始まった。人間政府は一瞬でファージを絶滅させる最終兵器を開発する。その情報を得たファージの組織は最終兵器を奪うべく政府のビルに最強の殺し屋を送り込んだ。それは12年前、最愛の夫ともうすぐ生まれる子供とともに感染し、夫も子供も政府に奪われたヴァイオレット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)だ。幸せな日々を踏みにじった政府への憎しみを胸に秘め、配達人を装ったヴァイオレットはビルへの潜入に成功する。厳重なDNA検査を潜り抜け、最終兵器の入った白いケースを手にした瞬間、本物の配達人が到着する。ヴァイオレットは圧倒的なパワーでセキュリティを倒し、スピードマシーンと化したバイクにまたがり街を駆け抜ける。仲間の待つビルに到着したヴァイオレットは、エレベーターの中でケースの蓋を開ける。しかしそこには、あどけない少年が眠っていた。少年は、血液中にファージを殺す抗原を培養されていたのだ。子を亡くした母として、たとえ相手が敵である人間で、自分たちファージを滅ぼす“最終兵器”だとしても、命を奪うことはできなかった。ヴァイオレットは仲間たちを裏切り、少年の手をとって逃げる。シックスと名乗る少年とヴァイオレットは唯一の味方である科学者のガースを訪れるが、すでに余命わずかなヴァイオレットは身も心もズタズタだった。だが、命が尽きてもシックスを守ると心に決めたヴァイオレットは、人間政府とファージの地下組織に闘いを挑む。