昔の上海を再現したスタジオで、ミュージカル映画の撮影が開始された。陳腐な設定に苦悩する監督(ジャッキー・チュン)は、主演女優の孫納(ジョウ・シュン)と関係を持っていたが、スター女優となった彼女が自分から離れていくのではないかと疑心暗鬼になっている。香港から呼ばれた人気俳優の林見東(金城武)は、実は孫納とかつて恋人同士だったが、彼女の女優への夢が二人を引き裂いた。彼女への想いを今も断ち切れずにいる彼は、不眠に悩まされている。このミュージカル映画への出演を決めたのも、ひとえに彼女に再会して、あの愛は本物だったのかを確かめたい思いからだった。だが、彼女は彼と再会してもクールに無表情を貫く。1990年代半ば。香港から北京に来た林見東は、空腹を抱えた女の子、孫納と出会い、寮に一晩泊めてあげる。見東は映画学院の苦学生で、地方から歌手を夢見て上京した孫納は、クラブのステージに立っていた。見東が監督になることを諦め香港に帰ろうとすると、孫納は彼を引き止め自分の部屋に住まわせる。彼女の夢は歌手から映画スターへと変わり、ハリウッド行きを夢見るようになっていた。かつての二人の姿は、ミュージカル映画の二人の過去のエピソードの映像に重なっていく。過去のエピソード部分を試写室で見ていた二人は、初めて10年前のことを語り合う。ある日、監督が突然姿を消して撮影が休止になった。見東は半ば強引に孫納を連れて、北京へ行く。