1980年、エルサルバドルでは、政府軍と、世界恐慌によって仕事を失った多くの貧しい農民を中心に結成された反政府組織FMLNとの激しい内戦下にあった。11歳のチャバ(カルロス・パディジャ)は、父がアメリカへ去って以来、母(レオノア・ヴァレラ)と姉ロシータ、弟リカルドとの4人暮らし。母からいつも家族を守るよう言われている。いつなんどき銃撃戦が始まるかわからず、近所の住人に犠牲者が次々と出る内戦下での過酷な生活。だが、家族との団欒に笑えば、家計を支える仕事もするし、新任の先生の娘クリスティナ・マリアに恋もする。母親の愛情と、今は反政府ゲリラメンバーのベト叔父さん(ホセ・マリア・ヤスビク)がくれたラジオから流れる反戦歌を頼りに強く生きるチャバ。しかし、そんな子供でいられる日々もあともうわずか。エルサルバドルでは、12歳になると政府軍に徴収されるからだ。政府軍と反政府組織との緊張は高まり、ついには学校内でも銃撃戦が展開。神父すら、もはや祈るだけでは足りないと言う。学校が無期閉鎖になった。チャバの住む家も軍とゲリラの攻防に阻まれ、一家は祖母のいる川の向こうに移住する。ほどなくしてチャバは12歳の誕生日を迎えた。政府軍が次々と少年を徴兵しに来る。家の屋根の上に寝そべって身を隠す子どもたち。久しぶりにクリスティナ・マリアを訪れたチャバは、彼女の家が崩壊し、彼女の姿もないことに衝撃を受ける。そして、チャバの運命も動いていた。政府軍か反政府ゲリラか、いずれかに身を投じなければならない。デブの友人マルコスがゲリラのところへ志願。それを聞いたチャバは、2人の親友チェレとフィトとともに、その後を追う覚悟を決める。