1986年、ブルックリン、パークスロープ。スランプ中の作家である父バーナード・バークマン(ジェフ・ダニエルズ)と、新人作家として華々しいデビューを間近に控えた母ジョーン(ローラ・リニー)が、突然離婚を宣言し、別居することになった。16歳のウォルト(ジェイス・アイゼンバーグ)と、12歳のフランク(オーウェン・クライン)の兄弟は、父と母の家を毎日行ったり来たりする。父親に傾倒しているウォルトは母を責め、母親が大好きなフランクは父を拒絶する。4人の気持ちは、いとも簡単にバラバラになった。俗物タイプのテニスコーチ(ウィリアム・ボールドウィン)がジョーンの新しい恋人になり、今まで浮気する勇気もなかったバーナードは、若くて美しい教え子のリリー(アンナ・パキン)にうつつを抜かす。リリーが彼の家に居候することになり、ウォルトはたちまち彼女に恋をする。ウォルトは学園祭のコンテストで、自作と言いながらも実は100%パクリの歌を歌い優勝。後日その事実が露見したウォルトは学校の指導を受ける。セラピストにいい思い出は何か聞かれ、ウォルトの頭に、6歳の頃母親と2人で一緒に行った自然史博物館の思い出が浮かぶ。あの日母が、怖くてたまらなかった“イカとクジラ”のジオラマについて、おもしろおかしく話してくれたこと、あの頃ママのことが大好きだったことを思い出す。ある日、父と母がやり直すかどうか大喧嘩中、猫が逃げ、慌てて追いかけたバーナードは胸を抑えて倒れる。数日後、入院した父親の見舞いの帰り、ウォルトは突然、自然史博物館へ向かい、あのとき怖くて指の間からしか見られなかった“イカとクジラ”を正面からじっと見つめるのだった……。