宗教学者の大学教授ソール・ナウマンは、家では家事もこなす理想的な夫にして良き父親だった。しかし11歳の娘イライザは、何ごとにも完璧を求める父の愛情はすべて優秀な兄アーロンに向けられていると感じ、寂しさを噛みしめる。ところがある日、イライザは学校のスペリング・コンテストで優勝すると、地区大会でも圧倒的な強さで勝ち進む。思いもかけなかったイライザの才能はソールの学術的な興味を強く刺激し、彼の関心はアーロンからイライザへと一気に傾く。しかし、イライザが完璧な言葉を綴るたびに、完璧だったはずの家族の関係が次第にほころびていくこととなる。明らかになる父の秘密、母の秘密、兄の秘密。それぞれが言葉を超えた“心の世界”を旅する家族たち。小さなイライザは、砕け散った家族を修復できる鍵を自分が握っていることを知る。そして、その温かい奇跡は、スペリング・コンテストの全米大会で起こった。