バイク事故を起こした少女が病院に担ぎ込まれた。同じ病院で外科医をする彼女の父ティモーテオ(セルジオ・カステリット)は、娘が瀕死だと聞いて愕然とし、ふと15年前に失った愛の出来事を思い出し始める。ある夏の日、ローマ郊外の貧しい町で、往診の帰りに車の故障に見舞われたティモーテオは、そこに住むイタリア(ペネロペ・クルス)と運命の出会いを果たす。最初は衝動的にイタリアを抱いたティモーテオだが、その後も彼女との密会を重ねるようになった。ティモーテオにはジャーナリストとして活躍する美しい妻エルサ(クラウディア・ジェリーニ)がいたが、イタリアを本気で愛するようになる。そんな時、イタリアの妊娠が発覚。これを機にティモーテオは真実を妻に打ち明けようと決心するが、皮肉にもエルサもまた妊娠していた。事態を察したイタリアは、ティモーテオに黙って中絶の道を選ぶ。やがてエルサが出産。一方、矢も盾もたまらなくなったティモーテオは、故郷に帰るというイタリアの旅に同行。しかしイタリアは中絶手術の不備が原因で、死の病に侵されてしまった。イタリアの命と引き換えたかのように授かった娘。そしてその娘すら失おうとしている今、ティモーテオは病院の窓の外にいる、イタリアによく似た後ろ姿の女性に奇跡を懇願する。すると娘は回復し、一命を取り留めるのだった。