広告業界で成功を収めた若きエリートビジネスマン、マシュー(ジョシュ・ハートネット)は、ニューヨークから故郷であるシカゴに戻っていた。結婚を控えた婚約者らと共に、ホテルのレストランでビジネスの成功と結婚の前祝いをしていたマシューは、電話ボックスの前で思いがけず、ひとりの女性の姿を目撃してしまう。それは、2年前マシューの前から突然姿を消したかつての恋人リサ(ダイアン・クルーガー)の後ろ姿だった。一目見た瞬間から運命的ともいえる激しい恋に落ち、互いに心から愛し合っていたはずのリサは、ある日、何の前触れもなくマシューのもとを去ってしまったのだ。リサが姿を消した理由もわからず、ひたすら塞ぎこんでいたマシューは、その後ニューヨークへと渡り、現在の地位を獲得したのだった。もう一度リサに会い、愛を確かめたい、その一途な想いからマシューはリサを探すことを決意する。電話ボックスの中に残されていたホテルの鍵を手がかりに、マシューはリサを求めシカゴの街を彷徨いはじめる。やがて、マシューはあるアパートメントの一室にたどり着く。その部屋にはリサの面影が色濃く残る様々なものが並べられていた。恋人だった者だけにわかる、愛しい人の匂いと空気を感じたマシューはそこに確かにリサがいたことを悟る。しかし、そんなリサとの想い出に浸り、すべてを愛しく眺めているマシューの前に現われたのは、外見も雰囲気もリサとはまったく違う黒髪の女性だった。しかもその女性は愛しい人と同じリサという名前だったのだ。部屋の持ち主がまったくの別人だったことを知り、深い悲しみに襲われるマシュー。そんな彼を黒髪のリサは優しく慰め、ふたりは一夜を共にしてしまうのだった。しかし、このリサにはあまりにも切なく、悲しい秘密と嘘が隠されていた。