第二次世界大戦末期、ランケスター・メリン神父(ステラン・スカルスゲールド)は神への信仰心を見失っていた。生まれ故郷のオランダで体験した、ナチスによる教区の人々へのおぞましい残虐行為を阻止できなかったことに、自分を許せずにいるのだった。恐怖の記憶から逃れるべく、メリンは故郷オランダを捨てて世界中をさまよう。流れ着いたカイロで、メリンは古美術収集家と名乗る男と出会い、ある頼みごとをされる。ケニヤのトゥルカナ地方で行われている、イギリスの考古学発掘隊に加わってくれというのだ。イギリス政府が資金を出したケニヤの僻地の発掘作業で、完成直後に埋められたかのように見えるビザンティン帝国時代の教会が発見されたのだ。その教会は、予想をはるかに超えて当時のままの姿で保たれていた。メリンに話を持ちかけたその男は、教会内部に隠された古代の聖宝である小さな彫像を発掘部隊よりも先に見つけ出し、密かに自分に渡して欲しいと要求する。メリンはその話に興味を持ち、依頼を引き受ける。発掘現場に到着したメリンは、理想に燃える若き神父フランシス(ジェームズ・ダーシー)と、ドクターであるサラ・ノヴァック(イザベラ・スコルプコ)に出会う。また、以前村に滞在していた神父がかわいがっていた、アフリカ人の少年ジョセフ(レミー・スウィーニー)と、心を通い合わせるメリン。しかしその頃からジョセフの周囲で猟奇的な殺人事件が発生し、その後も次々と殺人、そして不可解な自殺が相次ぐ。そして、じょじょにジョセフ自身にも異常が現れるようになり、突然激しい痙攣から意識を失い、戯言を口走るようになるジョセフ。そんな状況に恐怖を抱いた村人たちは、ジョセフに悪魔が乗り移ったと考え、神への生贄として彼の命を奪おうとする。その瞬間、ジョセフの目に妖しい光が宿るのだった。実在するはずのない教会、狂気に駆られていく人々、多発する猟奇殺人と変死体。やがて、悪魔の存在を確信したメリンは、再び聖職衣に身を包み、悪魔と対決することを決意する。