父親の死をきっかけに聴覚を失った郵便配達員のコウ・ファン(ニコラス・ツェー)。彼はある日、ダンサーを目指す女性ジェーン(カリーナ・ラム)と運命的な出会いを果たす。郵便を届けに行ったダンススタジオで彼女を見かけ、そして交差点でもすれ違う。ジェーンの落とした本に挟まれてた写真を眺めるコウは、本を返そうと彼女の家に向かう。庭をうろうろしていると、突然現れたジェーンにびっくりしてプールに落ちてしまうコウ。だが、そこで彼の脳裏に映った映像は、交差点に立っていたジェーンに車が突っ込んできた映像だった。なんとジェーンは、事故死していたのだった。ゴーストとなってコウの前に現れた彼女は、ダンスオーディションの最終選考を目前に控えて事故死したことに未練が残っていた。彼女はダンス仲間がファイナルまでに行く7日間、黄泉の番人から逃れるために、コウの家に置いてほしいと頼む。翌朝、目を覚ましたコウは、音が聞こえるようになっていることに気づく。太陽の光を浴びることができないジェーンが、昼間はコウの体に入っていたからであった。こうして二人の奇妙な生活は始まった。ジェーンに頼まれ、仕事の合間にスタジオへ足を運んだコウは、チームメイトたちが落ち込んでいる姿を目にする。その夜、ジェーンを励ますために、かつてコウの父が演奏していたバー『白雪姫』に連れて行く。そこには、新しい人生より現世にとどまることを望むゴーストの老夫婦がいた。ジェーンは彼らからコウの耳が聞こえなくなった過去を聞き、二人の距離は次第に縮まっていく。一方、コウの同居人で振られたばかりのバド(イーソン・チャン)を励ますため、二人は恋人たちのデザート、ティラミスを作る。ジェーンにティラミスの由来を教えられ、恋の味を楽しむコウ。共に過ごす時間は二人にとってこの上なく幸せなものだった。コウは、ジェーンを失い失意の底にある親友ティナ(キャンディ・ロー)の姿に胸を打たれて、パートナーを志願する。ティナはジェーン以外のパートナーを受け入れようとしなかったが、コウはみごとチームに認められ、チーム入りが決まる。そのお祝いに、ジェーンとコウは普通の恋人同士のように遊園地でデートする。だが、二人の前に黄泉の番人が現れ……。