フランス郊外の古い城館に、持ち主であるマリ=アニエス・ド・バイオネット(タマーラ・タラサシヴィリ)と彼女のいとこ(ナルダ・ブランシェ)が召使と共に住んでいる。車椅子に乗っているマリ=アニエスは城内でピストル射撃を、いとこは町のオーケストラに参加したり、弓を使って池で魚を獲ったり、屋外でゲームを楽しんだりと、二人はそれぞれのんびりと日々の暮らしをエンジョイしている。彼女たちのお隣さんは公証人アンリ・ド・ランパデール(アレクサンドル・チェルカソフ)。現在、彼の館には、大金持ちのマハラジャ(サシャ・ピアティゴルスキ)が滞在している。アンリは、老婦人たちの城館を日本企業に売却斡旋しようとたくらんでいるが、マリ=アニエスのいとこはかたくなにこれを拒否。ところがそんなある日、城館に亡き将官(オタール・イオセリアーニ)の霊が現れマリ=アニエスが急死してしまった。葬式に合わせてロシアからマリ=アニエスの妹エレーヌとその家族もやってくる。遺族が揃ったところで公証人アンリの口からマリ=アニエスの遺言が発表される。その内容は「遺産はすべて妹のエレーヌに」というものだった。葬儀が終わり、マリ=アニエスのいとこの老婦人はマハラジャと一緒に旅に出る。しかし彼らが乗った汽車はテロリストによって爆破されてしまい、彼らはあっけなく死んでしまう。二人の老婦人の亡き後、城館は日本企業に売却された。