フロリダ州の小島で警察署長を務めるマット・リー・ウィトロック(デンゼル・ワシントン)は、仕事の腕は一流で、部下からの信頼も厚い。だがプレイベートでは、妻アレックス(エヴァ・メンデス)とは8ヵ月前から別居中。関係が悪化して以来、高校時代の後輩で今は人妻のアンと親密になり、彼女と過ごす甘い時間に慰めを見出していた。夫クリスの暴力に苦しんでいたアンへの同情は、いつしか激しい情熱へと変わり、ふたりはたびたび密会を重ねる仲になっていた。ある時マットはアンの頼みで、彼女の兄として病院に付き添う事になった。そこでアンはガンの転移が見つかり、しかも余命わずかと宣告されてしまう。アンの主治医はスイスの代替医療を紹介するが、治療費が高額で、必ず治る保証もないという。死を覚悟したアンは、クリスが自分にかけていた生命保険の受取人名義をマットに書き換えると、ひとり町を出て静かに最後を過ごす事を彼に告げた。しかし、マットはある決心をする。アンに治療を受けさせるため、署の金庫にある麻薬犯罪の証拠品である現金48万5000ドルを持ち出すことにしたのだ。翌日一緒にスイスへ旅立つ事を約束し、マットは現金をアンに渡す。その夜遅く、アンは約束の時間に現れず、電話にも出なかった。翌朝、アンの家が火事という知らせを受け急いで現場へ駆けつけると、既に家屋は跡形もなく焼け落ちていた。そしてマットは、現場で黒焦げの焼死体二体を見つける。その瞬間、マットは自分が極めて不利な立場に置かれていることに気づく。アンとの不倫関係、保険金受取人の名義変更、失われた証拠品の大金。あらゆる状況証拠が、犯人はマットだと指し示しているかのようで……。