1901年から1992年まで、20世紀をまるごと生きた女優マレーネ・ディートリッヒは、ゴージャスそのもの女優だった。そんな彼女は生涯にただ一度、戦地を駆け巡っていた時代がある。第2次大戦時、ヒトラーの右腕であるゲッペルスの呼びかけに応えず、アメリカの市民権をとり、遠くアフリカまで連合軍兵士を慰問し続けつる旅を続けたのだ。彼女の孫にあたるデイヴィッド・ライヴァは、未見のフィルムを多数集め、またディートリッヒの人生に登場した人たちの証言を収録した。人生のどんなシーンにおいても、ディートリッヒが自分の歌を歌うことのできた女だという神話をみごとに誕生させたドキュメンタリー。