モスクワの石油工場でエンジニアとして働くカイル・ロード(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)は半年後にアメリカ帰国を控え、忙しいながらも妻グレイ(マーニー・アルトン)と幸せな日々をおくっていた。慣れない土地で暮らすグレイのため、久々の休暇を二人で過ごす予定だった。そんな2人を悲劇が襲う。カイルの帰りを待っていたグレイが何者かに襲われたのだ。電話で悲鳴を聞いたカイルは大急ぎで家に向かうが、すでに彼女は無残な姿となって発見される。カイルは犯人を追い捕まえたものの、下された判決は証拠不十分による‘無罪’。犯人は判事を買収したのだ。この不条理な判決と犯人への憎しみにかられ、カイルは法廷で男を射殺。このことが重罪となり、カイルは終身刑を言い渡されクラヴァヴィ刑務所へ送られることとなった。最も厳しい刑務所として知られるそこでは、囚人たちは地雷の埋まった危険地帯で終わりのない線路作りに従事していた。賄賂にまみれた看守たち、そして囚人同士が死ぬまで闘わせられるというサバイバル・ゲーム“スパルカ”。ここでは、金と暴力だけが生き残る術の、まさに“地獄”そのものだった。そんな中、カイルは正義感から囚人同士の争いに巻き込まれ、トイレさえも無い、排水の流れ込む独房へ入れられてしまう。家畜以下の環境と精神的苦痛から、自ら命を絶とうとするがそれも果たすことができない。謂れなき暴力、性的虐待、法の名のもと暴力が蔓延するクラヴァヴィで生き残るため、カイルは“スパルカ”で闘うことを決意するのだった。何かに取り憑かれたように自分を鍛え上げたカイルは、所内で無敵を誇るファイターとなり一目置かれる存在となった。絶望に打ちひしがれ怒りをぶつけ闘う、そんな彼に警告を与える男がいた。独房を出たカイルと同室になった囚人番号451(ローレンス・テイラー)だ。「自分を見失っている…」。この言葉にカイルは、いつしか感情を忘れ獣と化した自分に気づくのだった。そしてカイルと451はある決断をする。多くの囚人の命が落とされたこのクラヴァヴィ刑務所を脱出し、暴力と賄賂にまみれた実態を世間に暴くことだ。厳重な警備、仲間の裏切り、拷問。果たしてカイルはこの地獄を乗り越え、目的を果たすことができるのか……。