1930年代、中国蘇州。没落貴族の第五夫人として嫁いだ歌姫ジェイド(宮沢りえ)は、夫の従姉妹である男装の麗人ラン(ジョイ・ウォン)と出会い、親交を深める。しかし情勢と共に屋敷は傾き、アヘンに耽溺する夫から暇を出されたジェイドは、愛娘パールとともに忠実な執事イーと小さな離れに移り住む。一方、英語教師として働くランは自立した女性でありつつも、民衆を搾取する貴族であることにジレンマを感じていた。そんな折、イーが兵役に出て生活の頼りがなくなったジェイド母娘が、ランを訪ねてやってくる。友情とも愛情ともつかない感情をジェイドに抱いていたランは、母娘との同居を申し出るが、その矢先に学校に役人シン(ダニエル・ウー)が派遣される。一目で惹かれあったランとシンは激しい恋に落ちるが、ジェイドへの想いから、ランはシンとの仲を断ち切る。しかし、愛するジェイドはすでに夫と同じくアヘンの毒に蝕まれていた。戦場で死んだイーからの遺品として、自分への深い想いを綴った日記を受け取ったジェイドは、幸福だったころの華やかな宴を夢想する。ジェイドの傍らには、長い時間を共に過ごしてきたランがしっかりと寄り添うのだった。