ニューハンプシャーで開催されているバイク・レースの最終戦。3位に入賞したバド・クレイ(ヴィンセント・ギャロ)は、レース終了後まもなく黒いバンにマシンを積み、カリフォルニアへとアメリカ横断の旅に出る。ガソリンスタンドで給油した時、ヴァイオレットという花の名前を持つ女性に心惹かれ、旅に誘うが、半ば強引に同意させたにもかかわらず、彼女を置き去りにして出発。翌日、バドは元恋人のデイジー(クロエ・セヴィニー)の母親が暮らしている家を訪ねるが、夫人は彼のことを覚えていなかった。やがてバドは、広場のベンチで孤独な時を過ごしていたリリーという女性と少しだけ心を通わせるが、すぐに立ち去る。ラスヴェガスではローズという娼婦を誘いながらも、すぐにハイウェイで降ろしてしまう。長い旅の果て、カリフォルニアに到着したバドは、かつてデイジーと共に暮らしていた小さな家を訪ねる。バドはホテルで待つという手紙を彼女に残して去る。やがてホテルの部屋に、デイジーが現われる。しかしそのデイジーは、彼の幻覚だった。彼女はドラッグで酩酊した時、数人の男にレイプされ、まもなく嘔吐した物がノドに詰まって死んでしまったのだ。そして彼女の幻覚が消えたあと、バドはまた車を走らせるのであった。