難聴というハンディキャップを抱えるOLのカルラ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、日々やりがいのない仕事に追われ、孤独を感じていた。そんなある日、刑務所帰りの青年ポール(ヴァンサン・カッセル)が、彼女のアシスタントとして現われる。ワイルドな魅力の彼に、一目で興味を抱くカルラ。一方、彼女が読唇術の持ち主であることを知ったポールは、それを利用して、ヤクザのボス、マルシャン(オリヴィエ・グルメ)の闇の組織から大金をくすねる算段を思いつく。カルラは悪事に巻き込まれるのがまんざらでもなく、二人は共犯関係で結ばれていく。いよいよマルシャンの大金を強奪する時が来たが、ポールは彼に疑われ、監禁されて暴行を加えられる。それを隣のビルから双眼鏡で覗いていたカルラは、彼の唇を読み取ってサインを受け取った。カルラはマルシャンが高飛びしようとしていることを偽装する機転を働かせ、脱出に成功したポールと逃亡。そしてカルラは車の中から、ポールの担当だった保護監察官のマッソン(オリヴィエ・ペリエ)が、妻殺しの容疑者として警察に連行されていく姿を目にするのだった。