ニュージーランドの浜辺の村。クジラに乗ってやってきた勇者伝説を信じるマオリ族は、代々男を族長として続いてきた。しかし族長の長男ポロランギ(クリフ・カーティス)には、勇者と同じ名前がつけられた女の子パイケア(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)しかいなかった。後継者の誕生を心待ちにしていた祖父のコロ(ラウィリ・パラテーン)は、パイケアの存在を受け入れることができない。彼女が12歳になった時、家を離れていたポロランギが戻ってくる。しかしドイツで世界的なアーティストになっていた彼は、族長になるつもりはなかった。コロは村の12歳となる少年たちの中から後継者を探そうとするが、海に投げ入れたクジラの歯の首飾りを取ってくる最終試験には誰も合格しなかった。パイケアはのちに首飾りを難なく取ってくるが、首飾りはコロの不機嫌を恐れた祖母フラワーズ(ヴィッキー・ホートン)の手に託される。まもなく、海の底からクジラの一群が浜に打ち上げられた。コロはこれを終末の暗示と信じ込み、海に返そうとするがクジラたちはびくともしない。だがパイケアはクジラを慰撫し、その一頭に乗って海へと向かった。そのまま海の中に沈んでしまうパイケアだったが、無事に引き上げられる。そしてようやくコロは、パイケアを後継者だと認めるのだった。