ヴィンカの村には古い伝統があった。その地の古城の主モーラ伯爵とその娘のルナの霊が吸血鬼となって闇に現れると言うのだ。村人は植物を門傍に吊るして妖魔の襲来を防いだ。所が村の長者カレル卿が変死をとげ、村医の診断によれば正に吸血鬼の仕業であると言う。カレル卿の1人娘イリーナは後見人のオット男爵のもとへ引き取られたが、父の死後間もなく許婚の青年フィドールがまたまた吸血鬼の襲撃を受け危うく生命をとりとめた。プラーグから招かれた泰斗ツエレン教授は吸血鬼の存在を肯定し、イリーナが次の犠牲者になる事を警告した。イリーナは果たして妖魔の襲うところとなった。続いて多くの人々がモーラ伯爵とルナ及び1年前に変死したカレル卿の亡霊が夜の世界を徘徊する姿を目のあたりに見て驚いた。恐怖がイリーナを中心とする人々の間に伝わった。しかしついに吸血鬼の正体は意外な所に発見された。ツエレン教授がよく人々を驚かしたのは彼が犯人と睨むオットー男爵の反抗の確証を握る為だった。