薬草酒で大成功したユダヤ人エマヌエルの長男イグナツ(レイフ・ファインズ)は、義理の妹であるヴァレリー(ジェニファー・エール)と結婚。法律家として成功するが、やがて第1次世界大戦が勃発し、従軍裁判官として皇帝派寄りの判決を繰り返したため、戦後共産化した政権により軟禁される。しかし程なく共産政権も崩壊し、今度は共産政権を倒した軍事政権のもと報復裁判を求められる。それを拒んだイグナツは体調悪化で死に至った。彼の次男アダム(レイフ・ファインズ)は、フェンシングの才能を開花。ベルリンオリンピックのハンガリー代表として金メダルを獲得し、国民的英雄となるが、第2次世界大戦のナチスによるユダヤ人迫害から逃れられず、強制収容所で拷問死。彼の息子イヴァン(レイフ・ファインズ)は、父の復讐に燃え、戦後警察に入りファシスト狩りに奔走するが、心晴れることがないまま退職。やがて民主化運動に活路を見出すが、ハンガリー動乱により逮捕。出所したイヴァンは、祖母ヴァレリー(ローズマリー・ハリス)の元に身を寄せる。まもなく訪れる彼女の死。イヴァンは彼女が残した言葉と、家財の中から見つかった曾祖父エマヌエルの手紙により、ようやく自己を回復する兆しを見るのだった。