1800年、ナポレオンのイタリア遠征で揺らぐローマ。脱獄してきた国事犯アンジェロッティ(マウリツィオ・ムラーロ)は礼拝堂に身を隠していた。同じ場所では、画家カヴァラドッシ(ロベルト・アラーニャ)がマリア像を制作している。二人が去ったあと、アンジェロッティを追ってきた警視総監スカルピア(ルッジェーロ・ライモンディ)が登場。来合せたカヴァラドッシの恋人の歌姫、トスカ(アンジェラ・ゲオルギュー)から事情を探ろうとする。やがてスカルピアはカヴァラドッシを連行し、拷問。それを目の前にしたトスカは彼の悲鳴に耐え切れず、アンジェロッティの隠れ場所を洩らしてしまう。その時、ナポレオン侵攻の報が入り、カヴァラドッシは勇躍し、投獄。トスカは襲いかかるスカルピアをナイフで刺し殺す。まもなく死刑が決まるカヴァラドッシ。トスカはこれは一芝居打つつもりであり、形式だけの処刑であることを彼に告げる。ところがカヴァラドッシは、本当に処刑されてしまった。気が動転して泣き崩れたトスカは、スカルピアの死体を発見した部下たちに捕らえそうになり、屋上から身を投げるのだった。