中国東北部の牡丹江から香港のポートランド・ストリートへ出稼ぎにやってきた若い女イェン(チン・ハイルー)は、夫と離婚して自立するためコールガールをして猛烈に稼いでいる。ある日、イェンのガード役のチンピラ(ユン・ワイイー)が、ドリアンで頭を殴られる事件が起きるが、危ない商売をしているイェンは警察を呼ぶことができない。そこで路地裏で皿洗いをしている少女ファン(マク・ワイファン)に声をかけるが、彼女の家族も不法滞在者。同胞意識を感じたイェンは、故郷に帰ることになった時、ファンに自分の住所を渡した。牡丹江に大金を持ち帰ったイェンは一躍成功者として迎えられるが、せっかくの金をどう使えばいいかわからない。やがて夫シャオミン(バイ・シャオミン)との離婚が成立し、旧正月。イェンのもとに、少女ファンから思い出の果物であるドリアンが送られてくる。その強烈な臭気と魅力は、イェンにとって香港の日々の象徴だった。まもなくイェンの従妹シャオリー(ヤン・シャオリー)や、シャオミンたちの京劇をアレンジしたパフォーマンス・グループは、香港への出稼ぎを決める。それを横目で見ながら地元に残ったイェンが選んだのは、かつて学んでいた京劇の道だった。