1976年夏、イタリア北部アルプス山脈に近い街・セベソにあるイクメナ工場で爆発事故が発生、周囲に白い灰を降らせた。それは、化粧品や病院用の石鹸を作るのに必要なTCPと言う化学物質で、工場の重役たちの報告では日が経てば消えてしまうものだと言うことだった。ところが暫くすると、TCPを浴びた小動物が次々と死に、やがて人間にも頭痛や湿疹などの影響が出てきた。これに不安を覚えた11歳の少女・ジュリアは、友だちとセベソ少年探偵団を結成。在伊日本人ジャーナリストの安藤と共にイクメナ工場の調査に乗り出し、やがてTCPが枯葉剤の材料のひとつで、その中にダイオキシンが含まれていること、工場側が安全対策を怠っていた為に爆発が起きたことなどを突き止める。しかし、工場や親会社ははぐらかすばかりで責任を認めようとしない。そのうち、化学のヒロシマと呼ばれるようになったセベソの街は危険度によって分断、ジュリアもミラノに疎開を余儀なくされ、探偵団の仲間と離ればなれになってしまうのだった。そして遂に、故郷を奪われ、友達を奪われ、未来を奪われたジュリアたちの怒りは頂点に達し、彼らはイクメナ工場の社長とその親会社であるロック社の記者会見場に乗り込むという強行手段に打って出るが、子供たちの叫びは届くことはなかった。しかし、ジュリアたちは挫けることなく、ダイオキシンについての知識を深め、自分たちの暮らす地球の為に災害をなくそうと誓い合うのであった。