1940年の晩春、シチリア。戦争が始まってまもない頃、12歳の少年レナート(ジュゼッペ・スルファーロ)は、村一番の美しい女マレーナ(モニカ・ベルッチ)と出会う。彼女は二週間前に結婚したばかりだったが、夫は早くも戦線に送られてしまい、一人でひっそりと暮らしていた。マレーナに魅了されたレナートは、その日から毎日彼女の後を追い、恋心をつのらせていく。やがて敗戦と共に平和が訪れようとしていたが、ある日、マレーナに夫の戦死が伝えられる。未亡人となった彼女は、弁護士の愛人となり、次にナチ将校に弄ばれ、米軍の玩具となり、転落の果てに村の女たちの暴行を受け、悪評だけを残しほとんど裸同然で村を追われた。そこへ帰還したのが、戦死したはずのマレーナの夫(ガエタノ・アロニカ)。妻の恥辱にショックを受けた重病の彼に、マレーナをずっと見守り続けてきたレナートは、彼女が愛していたのはあなただけだったという手紙を送るのだった。