ボルティモアの映画館。とある映画のプレミア舞台挨拶に訪れたハリウッド女優ハニー・ホィットロック(メラニー・グリフィス)は、突如謎の一味に誘拐される。その一味とは、セシル・B・ディメンテッド(スティーヴン・ドーフ)率いる映画狂集団スプロケット・ホールズ。メンバー全員が敬愛する監督の名前を体に刻み込み、拝金主義、良識主義の腐った映画を撲滅しようと唱えるテロリスト・グループだ。彼らは自分たちの映画「狂える美女」の製作を企て、主演女優としてハニーに白羽の矢を勝手に立てたのである。その後、彼らは究極のリアリティを求めて決死のゲリラ撮影を繰り広げていく。最初はいやいや参加していたハニーも、やがて彼らに賛同してイキイキしはじめてきた。そして最後のロケ地、ハニーの主演3本立てをオールナイトで上映しているドライヴ・イン・シアター。狂乱の中で撮影は終了するが、彼らは警察に包囲されていた。群衆が見守る中、高らかに勝利を宣言し、焼身自殺を遂げるセシル。そして野次馬の中を連行されていくハニーは、微笑みをたたえ、大女優の顔になって堂々と歩いてゆくのだった。